5054/10/7(月)

日本で初めて不妊治療がなされたのは、ネットで調べてみると1983年。
もう40年以上前の事。私は中学生だったので、「試験管ベビー」という単語を覚えている。
時は流れ、今や不妊治療は普通なこと。
治療を受けて生まれ来たお子さんも多い。
授かる方法がどんな手段であろうと、生まれ来た命に差はない。
以前、不妊治療で授かって授乳してくれているママさんが手技中に悩みを話して下さった。
現在ママは43歳。
凍結受精卵が二つ、残っていて、先日、産院から凍結継続するか否かの連絡があったそうだ。
自分がもう少し若ければ...
もし治療して授かったとしても年齢、体力、経済的に...
継続するにもお金が掛かるし...
でも命なんですよ。
と。
当時は沢山採れたと喜んだけど、何も考えずに凍結して、今それがあだになっている。
こんなに悩むとは考えなかった。
悩む...
声も表情も曇り、私も何も言えない。言葉を受け止めてあげるしかできない。
後日。
「大島さん、卵、処分することに決めました」
「破棄」とか「処分」とか。「もの」として見ないとやってられない。
女は一生この思いを持って生きていく。
倫理委員会
産科学
生命学
哲学
信仰、宗教
人生設計
人生
線引き
法律
無罪と罪の境界線
Comments